【次回予告】        第110回社会的企業研究会

◆フォルケホイスコーレを学ぶ◆

【開催日時】                       日時:2021年3月4日(木)18時~20時00分           場所:ZOOM会議(オンライン開催)

申し込みフォーム

ここをクリックすると、申し込みフォームへ

※3月3日(水)の18時を締め切りとさせていただきます。お申し込みを頂いた後、当日にZOOMのURLを事務局よりご連絡させていただきます。

【開催趣旨】

フォルケホイスコーレとは、民衆の民衆による民衆のための成人教育機関と言われている。まさに、デンマーク生まれの「大人のための学校」。

原則として17歳半以上であれば、国籍・人種・宗教を問わず誰でも入学でき、試験や成績評価などはありません。

デンマークは社会保障の考え方・仕組みが有名ですが、その根底にあるのが自分のことは自分で決める、しかしそれは他者との深い対話を通して決めること。「私たちはとことん民主主義」と自認し、そのことは選挙の時の高い投票率が示しています。この日本の自己責任とは異なる自助のあり方と利他との関係、それを支える「深い対話」は、デンマークの教育思想から育まれます。そうしたデンマーク独特の福祉と教育がどのように関連し合っているのか。学び深める機会にしていきます。

コロナ禍の今こそ、人をどのように育むのか、つながりを創っていくかについて考えてみませんか?

講師:日本医療大学認知症研究所研究員 銭本隆行さん

<プロフィール>日欧文化交流学院学院長。1968年生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、時事通信社、産経新聞社で 11 年間の記者生活を送ったあと、 2006 年にデンマークへ渡る。デン マークの国民高等学校「日欧文化交流学院」にて、福祉、教育、医療に関する研修を日本から受入れ、講演・執筆活動をしながら、デンマークの事情を日本に伝えている。 2011 年に学院長に就任。 2013 年からは学校法人つしま記念学園特別講師も務める。

【登壇者】

18:00~18:05 開催主旨・司会進行 北川 裕士さん   (ワーカーズコープ東京中央事業本部/社会的企業研究会運営委員)

18:05~19:35 銭本 隆行さん            (日本医療大学認知症研究所研究員)

19:35~20:00 質疑応答、討論            「日本における取組の可能性」について

【当日の報告資料について(準備中)】

第109回社会的企業研究会(News.24)

◆「ソーシャルファームってなぁに?」◆         (この研究会は終了いたしました)

【開催趣旨】

東京都は2019年12月25日に「都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例」(以下、ソーシャルファーム条例)を交付しました。条例の趣旨は、「ソーシャルファーム」を「自律的な経済活動を行いながら、就労に困難を抱える方が、必要なサポートを受け、他の従業員と共に働いている社会的企業」と定義し、さまざまな支援を5年間行うというものです。さらに対象の事業所を次の3項目を満たすものと規定しています。

①事業からの収入を主たる財源として運営していること。   ②就労に困難を抱える方を相当数雇用していること。     ③職場において、就労に困難を抱える方が他の従業員と共に働いていること。

そして、2020年6月17日に「東京都ソーシャルファームの認証及び支援に関する指針」を公表し、10月には応募要項が発表され、2020年11月16日(月)~11月30日(月)に申請を受け付けました。現在、応募団体の現地調査や面接調査がおこなわれており、3月末には認証団体が決定する予定です。

この間、日ごろから「共に働く」ことを実践している団体が集まり、「東京都ソーシャルファームを考える会」を結成して都の担当職員へのヒヤリングを行い、指針や応募要項の問題点について要望書の提出などを行ってきました。また、実際に応募することで制度を検証しようと取り組んでいます。今回の研究会では、その状況について理解を広げると共に、韓国で2007年に制定された「社会的企業育成法」に基づく社会的企業の現状を韓国の研究者からお聞きし、東京都での展開の参考とします。

【当日の報告資料について】

ソーシャルファームってなあに(よって屋)

ソーシャルファームへの新たな途の模索の2 伊藤さん

フォーラム報告レジュメ(あうん210223)

斉藤さん・2021年2月23日東京都ソーシャルファーム制度は何が問題か

社会的企業研究会報告金亨美0223修正

指針・東京都ソーシャルファームの認証及び支援に関する指針

条例文・都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例

【当日の動画(無料公開中)】

【コメント:イ  へリンさん                (立教大学コミュニティ福祉学部 博士後期課程所属)】

「認証制から登録制」への制度改正プロセスや韓国の状況を取り上げたキム先生のご報告は、日韓の今後の社会的企業の展望を考えられる意味のある学術交流の機会であった。社会的企業育成法の制定以来13年、なお「社会的経済3法」が法律案として論議されている韓国の現時点で、社会的企業への参入障壁を下げ、参加を促す登録制への改正は、社会的企業に対する国民の認識と彼らに期待される役割や求めの変化を反映した試みとして、さらに、彼らの活躍を裏付けるための試みであるという点から、時代的潮流に答える意味のある取り組みであると考えられる。キム先生がおっしゃった通り、認証制の根拠となる「国民からの信頼確保」を、今後、どのように実現するのかに関する建設的論議が必要であると思われる。日韓の社会的企業は、単なる社会的・経済的目的の両方を達成することに留まらず、費用と効率ではない「人間的労働」の回復を追求している。そのため、国民(地域住民)の信頼、これを基にする参加をどのように促進するのか、さらに、社会的企業での労働により、民主的価値をどのように内実化するのか等、登録制の導入以降の課題がまだ残っている。韓国の登録制への改正プロセス、また、新たに登場した課題は、日本において、今後のサードセクター組織を裏付ける政策にヒントになり得ると考えられる。韓国の事例を参考にし、日本でも様々な論議と試みが展開され、自治体レベルの条例から、国家政策の内容のなかに反映されていくのを期待したい。

続きを読む 第109回社会的企業研究会(News.24)

第108回社会的企業研究会(News.23)

労働者協同組合法制定記念・研究会             ―法制定の意味・ポイントと法を活かすために―      (この研究会は終了いたしました)

【開催趣旨】                       第108回社会的企業研究会では、労働者協同組合法を研究会テーマとして取り上げる。

2020年6月12日に全党・全会派の賛同の上で議員提案として衆議院に提出された。その後、臨時国会で衆議院厚生労働委員会、衆議院本会議、参議院厚生労働委員会の議を経て、2020年12月4日参議院本会議で可決され、11日の官報で公布され制定されることとなった。

労働者協同組合法制定にあたっては、940以上の市区町村議会で労働者協同組合法早期制定の意見書を決議いただいたことや与野党を超える国会議員の方々のご尽力によるものであるが、議員の方々を動かしたのは労働者協同組合として運営してきた当事者団体(ワーカーズコープ、ワーカーズ・コレクティブ)の実践の強さとしなやかさに触れることが大きかったと考えている。

そこで本研究会では、法制定運動を実践者の視点から関わった田嶋康利さん(日本労協連専務理事)と藤井恵里さん(ワーカーズ・コレクティブ ネットワークジャパン代表)にご登壇いただき、法制定の意味・ポイントと法を活かすための論点を共有した上で、今後の労働者協同組合運動、協同労働の可能性を交流することを目的に開催する。

【当日の動画(無料公開中)】

【コメント・感想】(随時、追加予定)

〇竹野政史さん(明治大学大学院政治経済学研究科・博士前期)

:NPO法の成立以降、非営利組織という考え方が日本の社会で広く一般化したように、労協法が成立したことによって協同労働という働き方が一般化していく契機となっていくのではないかと思います。地域社会やコミュニティのなかで、労働者協同組合が地域社会のニーズに応える主体としての役割を協同労働というあり方を通じて担っていくことが期待されるのではないでしょうか。 続きを読む 第108回社会的企業研究会(News.23)

広報・拡散願い:新型コロナ災害緊急アクション・相談受付

■第106回社会的企業研究会・関連情報■

☆新型コロナの影響により、

住居・食料・仕事・健康・生活保護など緊急で相談したい方へ☆

どのような方でもOKです。お気軽に記入して下さい。

諦める前に、一度、ご連絡ください。

➡緊急の相談フォームへ➡(ここをクリックしてください)

第107回社会的企業研究会(News.22)

「資金調達・評価部会」公開学習会のおしらせ       (この研究会は終了しました)

【開催日時】

2020年12月14日(月)18時〜20時(17:55受付開始)

場所:ZOOM会議(Web会議サービス)にて開催

【開催趣旨】

今回は、若者と子どもを対象に活動するタイプの異なる2つの草の根型組織の代表者をお招きし、草の根組織が自らの目標を実現させるためにどのような組織運営をしているか、また草の根組織の活動の評価をどう考えたらよいかという点を中心にお話しいただきます。

近年、自治体等の業務を受託する非営利組織が増えたことにより、公的資金を受けた場合のアカウンタビリティが問われるようになっており、それを具体的に表現するための評価のあり方が議論されています。今年度より休眠預金等活用法に基づく助成が開始されましたが、そこでもどのような評価手法を用いるかが大きなテーマになっています。

しかし、草の根組織の中には、地域の助け合いやさまざまな有形・無形の贈与などを得て活動が成り立っている場合が多く、むしろそのことが地域のネットワークをつくりだす力にもなっていたり、日々の生活の見えない支えになっていたりしていると考えられます。単純に、投下した資金に対する結果を測定するような評価手法では、こうした価値を測ることはできません。

この分科会では、それぞれの組織の活動と資金(資源)調達について報告した後、各々が現場での経験をベースにした評価のあり方について問題提起していただきます。資金調達のアプローチの異なる組織の違い(委託事業中心の場合と助成金・ボランタリー中心の場合)や共通点などについて、議論を深められればと思っています。また、現在休眠預金等活用法に基づく助成で導入が求められている評価の動向や、委託事業における評価のあり方など、それぞれの組織での最新の検討事項についても報告していただく予定です。

【当日の動画(無料公開中)】

【コメント:原田 晃樹さん(立教大学コミュニティ福祉学部)】

近年、非営利組織が公的サービスの担い手としての期待が高まるにつれ、公的資金を受けた場合のアカウンタビリティが問われるようになっており、それを具体的に表現するための評価のあり方が議論されている。2019年度より休眠預金等活用法に基づく助成が開始されたが、そこでもアカウンタビリティを確保するためにどのような評価手法を用いるかが大きなテーマになっている。

そのような問題意識の下、今回は、若者と子どもを対象に活動するタイプの異なる2つの草の根型組織の代表者をお招きし、最初にそれぞれの組織の概要をお話いただいた後、草の根組織の活動の評価をどう考えたらよいかという点を中心に問題提起していただいた。

【2団体の概要】

第一報告者の一般社団法人全国食支援活動協力会は、もともと1970年代に世田谷区で始めたプレイパークづくりに端を発し、その後住民参加型の配食サービスを展開し、全国の高齢者による配食活動の全国ネットワーク組織として発展したものである。近年では子ども食堂の全国ネットワーク組織の事務局としても活動している。また、福祉事業については1996年に社会福祉法人ふきのとうの会を発足し、地域福祉全般のサービスを提供している。2019年度には、休眠預金等の新規企画支援事業の採択を受け、資金分配団体として地域で核となるネットワーク組織(「こども食堂サポート機能」)の立ち上げを支援するプログラムを展開している。

第二報告者の鈴木稜氏は、こおりやま子ども若者ネット、NPO法人アスイク、チャイルドラインこおりやまを主宰しており、引きこもりなどの若者支援の実践にとり組んでいる。こおりやま子ども若者ネットは、県内の関係17団体(他に個人5人)によるネットワーク組織を主宰するともに、全国若者支援のネットワークづくりにも奔走している。

【草の根団体の評価のあり方】

続きを読む 第107回社会的企業研究会(News.22)

第106回社会的企業研究会(News.21)

■開催趣旨:今、市民社会はコロナ禍で苦しむ人々のSOSを受け止め、何をすべきか?(この研究会は終了いたしました)

自宅から187キロ、3時間かけてSOSを受けて向かった先は那須高原。新型コロナの影響で失業、ついに所持金は40円となり、「山中で死のうと思った」という人。今、このような状況に追い込まれている人々が大勢います。こうした人々のもとに駆けつけ、伴走支援で生活の立て直しを支援しているのが、今回の社会的企業研究会でご紹介する「新型コロナ災害緊急アクション」です。

新型コロナ災害緊急アクションは、新型コロナ災害が拡大する中で、仕事を失う、住宅を失う、大学に通えない方が増える状況を踏まえ、反貧困ネットワークなど、貧困問題を解決するために活動する多くの団体により、3月24日に急遽結成されました。

今回は、新型コロナ災害緊急アクションの設立者であり、事務局長を担われている瀬戸大作さんをお招きし、コロナ禍においてますます深刻な状況になっている貧困問題の現状とそれに対して日本の市民社会は何をすべきなのかということについて貴重な現場からの報告をしていただきます。これから年の瀬へと向かい、新型コロナの第三波が猛威をふるい始めている中で、貧困問題の現場は切迫した状況になっています。こうした緊急事態において、社会的連帯経済の連帯の輪を広げなら、我々は、いったい何ができるのか、是非、一緒に考えたいと思います。

<内容>                        ⅰ)当該団体の活動から見えてきた、コロナ禍における貧困の実情と社会制度の問題点

ⅱ)行政の改善点と協同組合をはじめとする市民社会が取り組めることは何か?

【当日の動画(無料公開中)】

【当日の報告資料について】

12月瀬戸集会報告ころな緊急アクション

【感想文・コメント:藤木千草さん             (一般社団法人  ワーカーズ・コレクティブぷろぼの工房)】

講師の瀬戸大作さんは、毎日、困窮者の支援状況についてフェイスブックで詳細に報告されています。「所持金が100円しかない」「仕事がなくなり、住んでいるところを来週出なければならない」といったメールや電話に応えて、時間にかかわらず当事者のいる場所に駆け付けて、生活保護などの支援につなげています。食事をしながら話を聞くことや当面の宿泊費・生活費を給付されることで、SOSを発信した方々はさぞ、ホッとすることでしょう。以前から、瀬戸さんのお話をじっくりお聞きしたいという願いがかなう研究会でした。開催時間は18~20時でしたが、この日も、緊急SOSの連絡が入っていて、20時にズームから退出されあと、21時に巣鴨駅で路上生活から脱しようとする男性と会い、22時には蒲田駅で困窮により自殺を考えている20代の男性と会って支援を約束して励まし、帰宅されたのは24時過ぎとのことでした。

瀬戸さんは、パルシステム連合会の職員ですが、「新型コロナ災害緊急アクション・事務局長」「反貧困ネットワーク事務局長」「避難の協同センター事務局長」を担われ、日々、東奔西走されています。生協の業務ではなく、困窮者支援に専念できる体制がつくられていることは、協同組合が貧困問題に取り組むひとつのモデルケースだと、改めて思いました。

多くの方に、瀬戸さんのお話を聞いていただきたいです。特に地方自治体の議員の皆さんには、困窮して助けを求める人々の実態を知り、生活保護申請に対して市や区がどういう対応をしているのか、確認していただきたい。

コロナ禍以降、困窮している人が明らかに増えています。仕事がなくなった方、公的支援の受けられない外国人の方、またコロナ禍とは別に法律や条例の不備により住宅を追われる方、福島から自主避難されている方々など様々なSOS発信があります。瀬戸さんは、住宅確保や生活保護だけでなく、当事者どうしのつながりをつくり「孤立しない」ことも重要だと提案されています。そして、それぞれに合った仕事を見つけていくことが課題だという指摘については、働く場を創出しているワーカーズ・コレクティブも取り組むべきテーマだと痛感しました。


日時2020年12月7日(月曜日)18時~20時(21時延長あり)

場所:ZOOM会議(Web会議サービス)にて開催

【登壇者】                        瀬戸 大作さん

・新型コロナ災害緊急アクション・事務局長    (https://corona-kinkyu-action.com/

・反貧困ネットワーク・事務局長(https://www.hanhinkon.com/

・避難の協同センター・事務局長        (https://hinan-kyodo.org/

・パルシステム生協勤務        (https://www.pal.or.jp/

【司会進行】                       藤井 敦史さん                    (社会的企業研究会・立教大学コミュニティ福祉学部)

第105回社会的企業研究会(News.20)

【ご案内・若人の会(この研究会は終了いたしました)

10月29日の社会的企業研究会では、社会的企業について実践的な研究をされている若手研究者の発表会(若人の会)を開催いたします。

今回は、ILOや社会変革推進財団(SIIF)での勤務経験から社会的連帯経済に関心を持ってきた戸田満さん、地域福祉・社会福祉学から社会的企業の実践的な調査研究をされている竹内友章さんにご登壇いただきます。

戸田さんからは、ILOや社会変革推進財団(SIIF)に関わってきた経緯や問題意識をお話していただいた上で、社会的連帯経済とも共通点がある「人間中心アプローチ」と「小さな循環アプローチ」とは何かというテーマについてお話していただきます。

竹内さんからは、これまでの北芝でのフィールドワークや就労支援に関する実践的な問題意識をお話していただいた上で、地域福祉・社会福祉研究から社会的企業をどのように位置づけることができるのかというテーマについてをお話していただきます。

また、NPOや社会的企業の実践にも明るい小池達也さん(東海若手起業塾)、社会学の観点から「障害者と共に働く」ことについて研究をされてきた伊藤綾香さん(政策基礎研究所・社会学博士)ら若手の方々からもコメントをいただき、皆さまとともに議論を深めて参ります。

<当日の動画(無料公開中)>

<第1報告へのコメント:                  藤井恵理さん(ワーカーズコレクティブ ネットワークジャパン>

今回は、「若人の会」と銘打って、社会的企業について実践的な研究をされている若手研究者や実践者の発表会と意見交換を行いました。

はじめに竹内友章さんからは障害者就労問題をテーマに「働けない」とされていた障害者が「共に働く」実践をソーシャルワークの視点から考察し、実践の場としての「社会的企業」に注目し、事例を報告していただきました。

「地域福祉から社会的企業へのアプローチ」をテーマとした取組みの内容は、NPO法人とアパレルブランド(株)の共同による若者就労困難者への労働機会の創出の取組み。研究会を組織し学習や議論を重ねアクションプランが作られていく様子や取組みについての話。

これまで、業務を作ることの限界や障害者と健常者との関係性が課題となり義務意識以外に障害者雇用を推進する動機づけがない「消極的雇用」を、コミュニティワークの視点でどう変化させられるかという課題に取組む。

報告やその後の伊藤綾香さんのコメントの詳細はYouTubeを視ていただくこととして、ワーカーズ・コレクティブとして「働き方」や「ともに働く」の視点からコメントさせていただきます。

一般企業にとっての様々な取組み(戦略)の1つ「障害者雇用」の実践例としては、就労機会の創出という成果もあり、興味深く聴かせていただきました。研究会での多様な団体や人々との協働は見えてきましたが、現場での「協働」が報告から伺えず残念でした。こういった取り組みで一番大切なことは現場での「協働」をどう創り出していくかだと思います。当事者(障害者等就労困難者)の存在が感じられず残念でした。

「消極的雇用」をどう主体的で積極的な雇用に結びつけていくかが、この取組みの解決課題のように思いますが、いつしか生産性や経済性を軸とした議論(企業側の視点)の中に存在する一部と化していたのではと感じました。

「ともに働く」の現場を作り出し、実践していくためには、就労機会の創出だけではなく、「寄り添う」「理解する」「分け隔てない」という職場環境をみんなで協力して作り出すことが必要です。自分たちが作ったものが売れるか売れないかは、やりがいや自信につながりますので、モチベーションという意味では大事な要素ですが、その善し悪しが、自分たちのミッションの成功か否かを決めるものではありません。

「わっぱの会」を研究テーマとしてきた経験を持つ伊藤さんのコメントは的を得ていて、かつ辛辣だと思いました。彼女のコメントには「同床異夢的な取組みの帰結」「障害者雇用として、囲い込みから脱した取り組みと言えるのか?」「トレンドとしてSDGsに取り組むこと」「新しい価値」等、この取組みに対する課題とともに今後の継続と発展に期待も込められていたと思います。

私としても、結果としてアパレルブランドにとってだけの新しい価値(ブランディング)にならないこと、この取組みから社会的な価値を生み出すことを期待するとともに、改めて「社会的企業」とは何かを考えさせられる会でした。

<第2報告へのコメント:                  原田晃樹さん(立教大学コミュニティ福祉学部)>

(戸田氏の経歴)                     第2報告で登壇いただいた戸田満氏は、大学卒業後インドの翻訳会社に入社して現地社員としてキャリアを開始した後、イギリスに留学し、国際連合・国際労働機関(ILO)勤務を経て、2019年より社会的投資推進財団に入職し、現在に至るという異色の経歴の持ち主である。レジュメのタイトルである「人間中心アプローチ」もILOの政策にちなんだものである。

(投資家とは何か)                    戸田氏は、投資家目線で世の中の動きを捉えることの重要性を指摘する。ここでいう投資家とは、デイトレードなどの短期売買を行う者ではなく、未上場・スタートアップなど、事業の立ち上げにも深くコミットする役割を担う。多くの日本人が一般的に認識する投資家像は前者であろう。私なりの理解では、前者の意味での投資家は投機家であり、短期的利得を求めて利益を奪い合う関係になるから社会全体にとってゼロサムになる。グローバル化した市場を相手にマネー・ゲームを繰り返すことで、巨万の富を得る一部の富裕層とその他大勢へと二極化を加速させ、富の偏在をもたらす存在といえるかもしれない。

しかし、戸田氏のいう真の投資家とは、

続きを読む 第105回社会的企業研究会(News.20)

第104回社会的企業研究会(News.19)

<報告テーマ(この研究会は終了いたしました)>
「NPOのおカネの問題を考える」

<開催趣旨>
社会的企業、特に事業系のNPOやワーカーズの財務・資金調達が現在どのような状況に置かれていて、課題を抱えているのか、またいかなる政策や支援を必要としているのか、都内の2団体を事例として報告していただき、東京CPBの坪井さんには、NPOバンク(主にNPOに融資事業を行う金融NPO)の視点からコメントをいただきます。

  • 特定非営利活動法人エコメッセは、都内で14店舗のチャリティーショップを経営しており、また特定非営利活動法人コンチェルティーノは障がい者の働く場として、清掃事業を中心に展開しています。
  • 資金面で課題や困難を抱えている社会的企業は少なからず存在しているのではないかと推測されます。ビジネスモデルが確立し公的に制度化された事業ではない場合や、認知度が低く一般の金融機関からの理解が得られにくい場合、ワーカーズのように組織のガバナンスが特殊である場合など、要因はいくつか考えられますが、実態はまだ充分わかっていません。個々の団体によって、状況は千差万別かと思いますが、他方で共通する課題が見えてくるかもしれません。
  • 今回、2団体の方に事例報告をしていただきますが、参加者の皆さんからも、「うちの団体ではこんな対処をしている」「こういう課題に直面している」「資金調達についてはこう考えるべきではないか」など、活発な情報・意見交換を行えればと願っております。

<当日の動画(無料公開中)>

<感想文・コメント:小関隆志(明治大学経営学部)>    今回は「NPOのおカネの問題を考える」と題して研究会を企画しました。NPOやワーカーズの財務・資金調達が現在どのような状況に置かれていて、課題を抱えているのかを考えようと、都内の2団体に事例としてご報告いただきました。

環境まちづくりNPOエコメッセは、東京都内に14店舗のチャリティーショップを展開する団体です。ご報告いただいたエコメッセ理事長の大嶽貴恵さんは、店舗があることはすなわち資源(資産)であり強みだと指摘します。店舗には環境に関心がある人が集まる場であり、買い物することで環境活動に参加する場でもあります。しかし、店舗を開くにも、維持するにも、多額の費用がかかってしまいます。特にコロナ禍によって一時的に臨時休業を余儀なくされ、家賃などの固定費が経営を圧迫しました。強みであったはずの店舗が、財政面では固定費を生み出す弱みにもなり得ることが露呈しました。

エコメッセは、さいわい東京CPBからの融資で資金繰りの危機を乗り切れましたが、今後は固定費を減らすための無店舗事業や、新規事業の展開などを考えているとのことです。

コンチェルティーノは「障がいのある人ともに働く喜びを創り出す社会的事業所」で、清掃事業から始まって室内の手作業、チラシなどのポスティング、そして昨年には念願のカフェを開設するなど、障がい者の働く場を次々と拡大してきました。働くことにより精神的に安定し、対価を得ることで生活が安定し、仲間意識が芽生え、そして健康になれると、理事長の淺川悦子さんは話しています。

カフェ事業を立ち上げて半年後にコロナ禍が襲い、カフェを臨時休業せざるを得なくなりました。収入が減少する一方で固定費が出ていくという苦しい時期は過ぎましたが、今後はいざという時のために貯蓄を増やすこと、借入先を増やすことが課題だとのことです。コンチェルティーノは東京ワーカーズ・コレクティブ協同組合共済会から資金を借りることができています。

東京CPBや共済会からの資金調達は金融における協同の姿だと言えますが、ただそうした協同はごく一部でしか実現していません。今後、そうした協同を増やし、社会的連帯経済のネットワークの中に金融機能を位置づけるための方策を考えていきたいと思います。 続きを読む 第104回社会的企業研究会(News.19)

第103回 社会的企業研究会(News.18)

<開催にあたり(この研究会は終了いたしました)>

コロナ禍で地域で必要とされている仕事が顕在化したように感じます。具体的には、医療・介護・食・物流・生活困窮・就労窓口などの相談支援・子育て(保育園・学童クラブ)等です。

このようなキーワーカーとして奮闘しているのが労働者協同組合です。今回は労働者協同組合の実践を共有した上で、コロナ禍・ポストコロナ社会を展望するタネを協同・連帯の視点から探究します。

<開催趣旨>

・コロナ禍でキーワーカーである労働者協同組合の実践共有

・現局面を共有した上で、コロナ禍・ポストコロナ社会、社会的連帯経済を推進するために、どのような問い、視点を持つことが必要なのか。

・それぞれの問いについて、それぞれがどのような行動を起こしていくのか。

<当日の動画(無料公開中)>

<感想・コメント:田中夏子(農園「風と土」)>

コロナ禍のもとでの協同労働の実態報告から、あらためて協同労働の優位性とその課題が浮き彫りになる議論が提起され、大変刺激的な研究会でした。

第一のACTのご報告は、感染防止をはかりながら利用者の生活の質を維持するケアのあり方を、ケア者が試行錯誤する中で利用者とともに築いていった経過が示され、胸に迫るものがありました。行政からの無理難題に翻弄されながら、心身のリスクに耐え、なおかつ経営的な厳しさも加わる中での運営…「共に働く」の理念と実践の積み上げ無しには到底乗り越えられなかったと受け止めました。

第二の生協の配送委託を担うW.Coのご報告では、三月以降、軒並み増加した利用量への対応で、仕事の負荷の増大と感染対策の心労等、激務が続く中、これを「協同労働で働く仲間関係があるからこそ乗り越えられた」と振り返り、生産者と組合員双方の思いを繋ぐ結節点に立つ使命感の大きさも提起されていました。

第三の、全国のワーカーズコープの実践を取りまとめた協同総研からの報告では、就労支援の現場から非正規、派遣、そして外国人労働者を失業問題が直撃する現状が示され、今後、これに備えた就労支援と仕事の創出が課題であること、まさに協同労働ならでは社会的意義とこれからやるべきことの提起がなされました。

いずれの現場も、自らの心身をすり減らすギリギリの状況で、これまで経験したことのない判断と対応を迫られ、厳しい議論と試行を経ながらも歩みを止めなかったことがうかがえます。歩みが止まらない、止められないのはこれらの事業が、暮らしと命を支える必要不可欠のワークであるからにほかなりません。

今回の経験で、協同労働をめぐる様々な実践知が蓄積されました。本研究会のように、その意味付けと課題が共有されることは極めて重要と考えます。同時に、気候危機や生態系攪乱が常態化することと感染症の拡大は軌を一にしていることが多くの論者によって指摘されていますが、これが常態化するとなれば、とても協同労働の優位性だけで乗り切れるものでないことも明らかです。協同労働で働く人々のディーセントワークが達成されなければ社会の暮らしといのちを守ることもできなくなる…全国的なネットワークで、事業と働き方を互いに守りあうとともに、社会全体の富の蓄積構造を変える一層の努力の必要も痛感しました。

続きを読む 第103回 社会的企業研究会(News.18)

第101回社会的企業研究会(News.16)

ご案内(この研究会は終了いたしました):

101回目以降の社会的企業研究会では、現場の社会的企業の実践を一方では重視しながら、他方では新たな社会を構想していくための一つの道標、すなわち社会的連帯経済の可能性を皆さんと共に追求していきたいと思います。その新たな議論のきっかけを得るために、人材育成をテーマに研究会を企画しました。

社会的企業を増やすにはどうすればいいか、協同組合の認知度もまだまだ低い、ましてや社会的連帯経済については、ほとんど知られていないのが日本の現状です。具体的な人材育成をどのように行っていくか、スペインのサラゴサ大学「社会的経済研究所」の先駆的事例から学びます。

第1回は、この研究所を取材し、著書『ルポ     つながりの経済を創る』で紹介しているジャーナリストの工藤律子さんから、研究所の概要と取り組みについて基本的なことをお聞きします。そして、第2回でさらに詳しく知りたい項目について意見交換します。

第2回はカルメン・マルクエジョ教授(サラゴサ大学)からお話しいただいた後、質疑応答や意見交換を行います。工藤さんに通訳をしていただきます。マルクエジェ教授は「社会的(連帯)経済を広めるために、教育が担う役割をとても大きいと考えています。まず、協働に価値を見出す人間を育てなければなりません。この研究所は、その役に立つことを目指しています」(『つながりの経済を創る』)という思いで、「社会的経済研究所」を2016年に大学内に設置されました。

※なお、この公開シンポジウムは、科学研究費(基盤B)「社会的連帯経済の「連帯」を紡ぎ出すものは何か―コミュニティ開発の国際比較研究―」(科研番号:18H00935  代表者:藤井敦史)による調査研究活動の一部として実施されるものである。

当日の動画(近日公開予定)

第一部

第二部

第二部:前半録画がされていない部分の補足資料有

前半15分の質疑応答

感想・コメント(日本労働者協同組合連合会センター事業団・東京中央事業本部 北川  裕士さん)

人の暮らしと環境を中心においた経済=社会的連帯経済について、スペインのサラゴサ大学「社会的経済研究所」を著書『ルポーつながりの経済を創る』で紹介されているジャーナリストの工藤律子さんにご講演いただき、学びを深めた。

日本では、一般的にはまだまだ馴染みの薄い「社会的連帯経済」。「みんなで同じことを、同じペースで、同じようなやり方で」の学習システムが150年も変わらず、同質化・均質化した生徒が優秀とされ、それが出来ない子は、「問題児」扱いされる日本においては、競争原理、排除主義が当たり前に横行してしまっており、「協同」することを学ぶ機会が失われている。若い人たちが「社会的連帯経済」を知ることがあれば、助け合い、支え合いながら生きる、働くということができることを知り、希望に感じてもらえると強く思った。

工藤さんのお話では、スペインもかつて、競争を煽ってしまう教育が横行し、コミュニティが薄れ、格差が拡大するという課題に直面し、「社会的経済研究所」の立ち上げに至ったという。

続きを読む 第101回社会的企業研究会(News.16)