第93回社会的企業研究会

報告内容:若者たちとともに創っていく新たな未来   シブヤ大学のモノ語りーー若者×地域×学び×NPO

日時:2月27日 (月) 18時~20時30分

場所:東京大学本郷キャンパス 山上会館 2階 201・202号室

報告者:左京 泰明氏 (NPO法人「シブヤ大学」学長)

 

感想・コメント      ( 協同総合研究所   事務局長  相良  孝雄 )

IMG_540693回社会的企業研究会では「『街がまるごとキャンパス』シブヤ大学のモノ語り‐若者×地域×学び×NPO」をテーマに、シブヤ大学代表理事左京泰明さんの報告から、「若者が非営利・協同組織(NPO、協同組合等)に興味・関心を持つきっかけとは何か」を深める目的で開催した。

 シブヤ大学では、タイトルの通り、街そのものが学びの場になっており、まちづくりをする主体が多く参加をしている。(報告資料から)メールマガジン登録者は26,968名(男性33%、女性63%、不明4%、年代は2025%、3035%、4017%等)学生登録者は22,551名、ボランティアスタッフが約200名いるとのこと。メールマガジンという媒体もあるが、割合として多くの若い層が興味・関心を示しているのがわかる。

 大学の活動として、明治神宮内での清掃、防災教育の一環としての代々木公園に宿泊する企画「SHIBUYA CAMP」、恵比寿駅周辺の盆踊り大会の実行委員や、恵比寿文化祭などの企画の設計やコーディネートを行なっている。他にも「渋谷ズンチャカ」という渋谷を一日だけ音楽解放区になることをコンセプトに企画しているものもある。これらの企画は、渋谷区が“Diversity(多様性)”と“Inclusion(包摂)”を掲げるまちづくりの目的に合致したものであると考えているとのことであった。

 シブヤ大学の経常収益を見ると、2015年度は5,249万円で、企業からいただいているお金が4000万円程度になっている。東急ハンズとも連携をするなど、行政委託や補助金だけではなく、民間企業との連携もシブヤ大学の大きな特徴の1つであろう。

 シブヤ大学の実践から「まちづくりの主体として若者を引き付けるものとは何か」を考えたときに、具体的に地域をフィールドに出会いの場を「文化」を通じて楽しく人が集い、つくっていること、そしてその出会う場においてSNSやメルマガ、ホームページなどの媒体を駆使し、デザインを重視していることがあげられる。デザインは、広告代理店のデザイナーとも協力しながら、とても見栄えする広報宣伝を行ない、どの企画も目を引くものとなっている。出会いの場をつくりながら、「生き方・働き方を考えるきっかけを多くの方と触れ合うなかで感じ、自分は何が好きなのかを考えることができるのではないか」と左京さんは話されていた。

 左京さんは早稲田大学時代にラグビー部で主将を務め、その経験からP.ドラッカーの『非営利組織の経営』等の経営論が大切だと感じ、実践の場としてシブヤ大学を10年間運営するなかで、継続的に出会いの場をつくってきた。そして「渋谷」をフィールドにこれからも実践したいという想いを聞くなかで、私は同じ年に生まれたものとしてとても勇気づけられた。これから「地域づくりの主体形成」のあり方について、左京さんと共に学びあいたいと思えた出会いの場となった。つなげていただいたキム・ボランさんには感謝したい。