韓国のマウルにおける社会的経済-持続可能な地域社会をつくる力量形成に焦点を当てて-
日時:2016年9月30日(金) 18:30~20:00
場所:明治大学駿河台キャンパス研究棟4階第2会議室
報告者:金 宝藍さん(東京大学大学院 博士後期課程)
感想 コメント
(NPO法人希望の種 桔川純子)
第90回社会的企業研究会では、「韓国のマウルにおける社会的経済-持続可能な地域社会をつくる力量形成に焦点を当てて― 」というテーマで、金宝藍さん(東京大学東京大学大学院教育学研究科博士後期課程)が<学び>という観点から報告して下さいました。
金さんがフィールドとして選んだ地域は、ソウル市の南側に位置する人口5万5千人ほどのソンデゴルマウルです。マウルの住民は、子ども図書館という公共空間をつくり、その経験がソンデゴル節電所、エネルギー関連事業のマウル企業などを生み出していきました。マウル企業は<暮らし>に密着しています。ソンデコルマウルで、日々の暮らしのなかでエネルギーが住民たちの共通のテーマとなり、学習を重ねながら、住民たちがエネルギー節約のために不便さも受容していく様子は、ソウル市の政策「マウル共同体事業」が目指す<マウル公共性>、<自助・公助・共助>につながるものだと思いました。
マウルという実践コミュニティにおいて、住民の人たちは具体的にどうエンパワーされ、どう変わっていったのでしょうか。詳細なプロセスを聞いてみたいと思いました。そして、まだまだ家族単位での参加が主流のマウル共同体の活動に、多様な人々が関わっていける開かれたマウル共同体になっていけるのか、社会的経済がどのように定着していくのか、市民運動とは一線を画した社会運動となっていくのか、金さんの報告第二弾でぜひお聞きしたいです。