第109回社会的企業研究会(News.24)

◆今、旬の「ソーシャルファーム条例って何?」◆ 
(この研究会は終了いたしました)

【開催趣旨】
東京都は、2019年12月25日に「都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例」(以下、ソーシャルファーム条例)を交付しました。
条例の趣旨は、ソーシャルファームを「自律的な経済活動を行いながら、就労に困難を抱える方が、必要なサポートを受け、他の従業員と共に働いている社会的企業」と定義し、さまざまな支援を5年間行うというものです。
さらに対象の事業所を次の3項目を満たすものと規定しています。

①事業からの収入を主たる財源として運営していること。
②就労に困難を抱える方を相当数雇用していること。
③職場において、就労に困難を抱える方が他の従業員と共に働いていること

そして、2020年6月17日に「東京都ソーシャルファームの認証及び支援に関する指針」を公表し、10月には応募要項が発表され、2020年11月16日(月)~11月30日(月)に申請を受け付けました。現在、応募団体の現地調査や面接調査がおこなわれており、3月末には認証団体が決定する予定です。

この間、日ごろから「共に働く」ことを実践している団体が集まり、「東京都ソーシャルファームを考える会」を結成して都の担当職員へのヒヤリングを行い、指針や応募要項の問題点について要望書の提出などを行ってきました。また、実際に応募することで制度を検証しようと取り組んでいます。
今回の研究会では、その状況について理解を広げると共に、韓国で2007年に制定された「社会的企業育成法」に基づく社会的企業の現状を韓国の研究者からお聞きし、東京都での展開の参考とします。

【当日の報告資料について】

ソーシャルファームってなあに(よって屋)

ソーシャルファームへの新たな途の模索の2 伊藤さん

フォーラム報告レジュメ(あうん210223)

斉藤さん・2021年2月23日東京都ソーシャルファーム制度は何が問題か

社会的企業研究会報告金亨美0223修正

指針・東京都ソーシャルファームの認証及び支援に関する指針

条例文・都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例

【当日の動画(無料公開中)】

【コメント:イ  へリンさん】
(立教大学コミュニティ福祉学部 博士後期課程所属)】

「認証制から登録制」への制度改正プロセスや韓国の状況を取り上げたキム先生のご報告は、日韓の今後の社会的企業の展望を考えられる意味のある学術交流の機会であった。社会的企業育成法の制定以来13年、なお「社会的経済3法」が法律案として論議されている韓国の現時点で、社会的企業への参入障壁を下げ、参加を促す登録制への改正は、社会的企業に対する国民の認識と彼らに期待される役割や求めの変化を反映した試みとして、さらに、彼らの活躍を裏付けるための試みであるという点から、時代的潮流に答える意味のある取り組みであると考えられる。キム先生がおっしゃった通り、認証制の根拠となる「国民からの信頼確保」を、今後、どのように実現するのかに関する建設的論議が必要であると思われる。日韓の社会的企業は、単なる社会的・経済的目的の両方を達成することに留まらず、費用と効率ではない「人間的労働」の回復を追求している。そのため、国民(地域住民)の信頼、これを基にする参加をどのように促進するのか、さらに、社会的企業での労働により、民主的価値をどのように内実化するのか等、登録制の導入以降の課題がまだ残っている。韓国の登録制への改正プロセス、また、新たに登場した課題は、日本において、今後のサードセクター組織を裏付ける政策にヒントになり得ると考えられる。韓国の事例を参考にし、日本でも様々な論議と試みが展開され、自治体レベルの条例から、国家政策の内容のなかに反映されていくのを期待したい。

【開催日時】
日時:2021年2月23日(火祝)14時~16時30分
場所:ZOOM会議(オンライン開催)

【プログラム】
1.  ソーシャルファーム条例の説明とこれまでの経緯
藤木千草さん(東京都ソーシャルファームを考える会)

2.認定に応募した団体からの報告
重田益美さん(一般社団法人共働事業所よって屋)
若畑省二さん(企業組合あうん)
伊藤勲さん(一般社団法人ソーシャル・ファームミレットロード)

3.実践者からみた条例や応募要項の課題
斎藤縣三さん(共同連

<休憩>

4.韓国における社会的企業の状況~社会的企業育成法から13年
キムヒョンミ(金享美)さん(尚志大学社会的経済学科 副教授)

5.意見交換とまとめ
※共催:共同連、東京都ソーシャルファームを考える会、ともっと事業体、東京ワーカーズ・コレクティブ協同組合

※なお、この公開シンポジウムは、科学研究費(基盤B)「社会的連帯経済の「連帯」を紡ぎ出すものは何か―コミュニティ開発の国際比較研究―」(科研番号:18H00935  代表者:藤井敦史)による調査研究活動の一部として実施されるものである。

Powered By WordPress | LMS Academic